ちょっとした進化だ。鳥取県がホームページに載せた予算書に「検索機能」をつけた。技術的に難しいことをしたわけではない。ただ、情報を見せる側から、読む側へと、視点を百八十度転換させた点が新しい。

 どの自治体でも予算書は公開している。だが、担当課ごとに事業名と金額を並べるだけだ。税金の使い道は、みんなが知りたいのに、お役所は「見たければ、ご勝手に」という態度なのだ。それが「検索」で変わる。キーワードを入力すれば、すぐに調べられる。

 試しに、韓国との交流事業を見る。情報公開の欄の「予算編成」から、平成18年度当初→知事段階→知事査定とたどる。出てきた検索ボタンで「日韓」を引くと16項目が並んだ。国際課や水産課など部局をまたいで一覧できる。

 鳥取県には情報公開で得をした経験がある。予算書を見た県民から、コピー機のリース料が割高だ、と指摘された。調べると、県予算は単年度主義なので、複数年契約の割引がなかった。そこで政府にOA機器リース契約特区を提案し、地方自治法の改正も経て、長期契約に切り替えた。おかげで来年までの3年で3億円を節約できる。

 金額の大きさとともに、特区申請や法改正があったことにも驚く。どうやら、役所の内部情報をもっと読みやすく公開すればするほど、行政の無駄は省けそうだ。鳥取県が予算書に「検索」を付けたのは、その先駆けといえる。

 きょうから5月。「メーデー」で検索すると、労働団体の集会への「知事祝い金30万円」も載っている。さて次は何を見てみようか。
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