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西アフリカに生息するチンパンジーが「武器」を使っているという外電を、何年か前に読んだ。木の枝をかんで槍(やり)らしきものを作り、狩りに用いていたという。人間以外による「武器製造」が観察された初の例として話題になった▼

許多年前曾經一篇外電報導讀過在西非有一種黑猩猩,牠們居然會使用「武器」。握著小樹枝,當成像茅一般去打獵。因為史上第一例所觀察到非人類所製造的武器,在當時頗蔚為話題。

人類の武器も初めは素朴だったろう。いまや核兵器である。動物学のローレンツによれば、人間は、身体とは無関係に発達した武器を持つ唯一の動物なのだという。だから「武器相応に強力な抑制は用意されていない」と、この大学者は言う(『ソロモンの指環』)▼

剛開始時人類的武器也相當簡單。然而現在已進步到了核武。根據動物學者勞羅斯之闡述,「人類,是唯一會使用和身體無關的強力武器」同時,勞羅斯也提出「然而卻不具有和該武器相對應的強力控制能力」(出自索羅門王的指環)

牙であれ爪(つめ)であれ、自然から与えられた動物の「武器」には、本能的な抑制が備わっているそうだ。だが人間は、その抑制も自らの手で作り出さねばならない。核兵器でにらみ合う「恐怖による抑止」が、冷戦のあとも続いてきた▼

利齒、利爪都是大自然贈與動物的武器,同時也俱有抑制的本能。然而人類卻必需自己設立這種控制機制。以擁有核武互相對峙「以恐怖制止恐怖」,甚至延續到冷戰之後。

その不毛を消していく英断になろう。オバマ大統領が核戦略の見直しを発表した。核を持たない国には核を使わない。新たな核弾頭も開発しない。「唯一の核使用国」の責任を述べたプラハ演説から1年、米国の大きな変化だ▼

該是決斷這種僵持不下的局面,美國歐巴馬總統發表了核武戰略修正。不對沒有核武的國家動用核武。也不開發新的核子彈頭。闡述作為「唯一的核武使用國」的責任,此為美國莫大的變化。

むろん前途は容易でない。だがオバマ氏の信念には、過去の大統領になかった熱を見る。20世紀の人類に生えたおぞましい「牙」は、人類自身の手で退化消滅させるほかはない。その流れを涸(か)らすまいと思う▼

當然此途絕非易事。但我們可從歐巴馬總統的信念看到歷任總統未有過熱忱。20世紀人類自身所帶來最大的威脅,則是人類的手部退化。

広島と長崎で二重被爆し、この1月に亡くなった山口彊(つとむ)さんに痛切な一首がある。〈黒き雨また降るなかれにんげんがしあわせ祈るための蒼穹(あおぞら)〉。「3度目があってはならない」の悲願は核廃絶によってしか完結しない。

身故於2戰時美軍轟炸廣島和長崎時的山口彊曾有過一首相當痛切的和歌。「降下絕望黑雨的蒼穹本為人們祈禱所向之所在。」不要再有第3次了,如是悲哀的願望,只能借於廢核武之手而完結

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